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治療と所得補償問題

女性

請求の山場である初診日の特定

うつ病などの精神疾患は、目に見えない、理解されにくい障害が発生しているというのが一つの特徴になります。入院が必要なぐらい状態がかなり重い人は別として、どこが悪いのかとみられることも多いです。うつ病は、とても辛いものですが、その辛さを家族にすらわかってもらえないこともあります。また、一度うつ病にかかった人は、治療中の苦しかった生活がトラウマになっていて、ここぞという時に、もう一歩踏み出すことができず、社会復帰のタイミングを逃していまいがちです。それにより、働くことができないため経済的に困窮していくケースも少なくありません。人は経済的に余裕のない生活が続くと、暮らしにおいて想像力が醸成されにくくなったり、将来への希望が見いだせなくなります。うつ病で治療が長引いている人にとって、経済的不安は治療の妨げにもなる大きな問題です。また、収入が全くないことで、自分は役に立っていない、家族に迷惑をかけるなど、ネガティブ思考に拍車をかけることにもつながる可能性が高いです。こうしたことから、休養や薬物治療ももちろん大事ですが、うつ病患者にとって、金銭、とりわけ所得保障は重要な問題になります。ここで、活用したいのがさまざまな公的制度ですが、とりわけ障害年金が使いやすいでしょう。人々の暮らしとは、いかに個々人が満足感を味わえることが重要になってきます。そういった意味でも、世帯単位ではなく、個人単位で請求できる障害年金はとても有効です。主治医や精神保健福祉士、家族などと連携しながら受給を考えていくことが大事です。

実際の受給のためには、要件を満たしたうえで、請求を行わなければなりません。障害年金の請求の中では、初診日がとても重要です。初診日にどの年金に加入していたのかで受給できる年金が決定します。また、保険料の納付要件を満たしていたかどうかは、初診日の前日の納付実績で決まります。加えて、障害の重さをみる障害認定日は、初診日を起点としてその日から1年6か月経過した日です。そのため、年金請求手続きの最初の山場は、初診日を特定し、初診日の証明を口頭ではなく書類上ですることです。うつ病は、外傷による障害とは異なり、初診日がいつか判断することは意外と難しかったりします。これは、さまざまな事情で治療が中断してしまったり、診断名がころころかわったりとなかなか確定しなかったりすることもあるからです。そのため、過去の病歴をたどり、現在の障害となった疾病の初診日を確定させる初診日の特定を行わなければなりません。初診日の特定は、最終的に大臣の権限になりますが、請求者側でも、いつを初診日と考えるかを検討し、初診日の特定に必要な証拠を集める必要があります。初診日の特定は、うつ病でいくつか転院を経験している人は難しいことも多いです。障害年金の制度は、初診日主義ですので、この特定に困難を極める場合は、手続きが少々複雑になってきます。行政の援助や病院などにいるソーシャルワーカーや、障害年金を専門とする社労士などのアドバイスをえることが大切です。そして、家族も障害認定されるなんてと考えずに、本人をフォローしながら手続きに協力的になることが重要になります。